Essence of design

design

design(デザイン)とは、
❶ 建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。
❷ 図案や模様を考案すること。また、そのもの。
❸ 目的をもって具体的に立案・設計すること。
(デジタル大辞泉)
日本ではdesignを「装飾」的な要素として意匠・図案などと訳され、単に表面を飾り立てることと理解されています。
本来、designの持つ「設計」という意味が失われてしまい、日本が世界からdesignで立ち遅れてしまっている要因となっています。隣国の中国ではdesignを设计(ピンイン)と訳しています。

d スモール・ディー

スモール・d(designの定義)。
Victor Margolin(イリノイ大学名誉教授、デザイン史家、研究者)は、デザインの本質を明確にするために、designを2種類に定義しました。スモール ・dとビック・Dです。スモール ・dは「装飾」としてのデザインという意味です。プロダクト、グラフィック、WEBサイト、アプリのUIデザインなど個別業務としてのデザインです。日本では「デザイン」というと、このスモール ・dのことを指しています。アメリカではこのような「装飾」をstyle(スタイル)と呼びデザインとは別の要素として扱っています。

※Tableau I, by Piet Mondriaan

D ビック・ディー

Big D

問題解決のためのデザイン

大きな「D」を持つデザイン =「ビック・D」。
欧米ではdesignを「問題解決」、「設計」という意味で使われています。モノゴトを問題解決、設計することが、デザインの本来の意味なのです。日本では「装飾」的な意味でしか認識されていないのが残念なところです。 わたしは30年のデザイナー経験で必然と「問題解決」を実行してきたのです。デザインするということは、クライアント企業の商品・サービスの問題点を炙り出し、問題解決する方法を大局的に創出していくことだと思っています。勿論、容易なことではありませんが、この方法は、製品やサービス、企業、組織、コミュニテイなど如何なる領域にも適用することができるのです。これまでの装飾的な「スモール・d」から、本来のdesignである、問題解決「ビック・D」へシフトする時が来たのではないでしょうか。 

D + d
Integration
統合

Big Dに内包されるSmall d
Small dのなかにもBig Dが含まれる相互補完関係。

「ビック・D」と「スモール・d」。その関係性は、全体を捉える「ビック・D」のなかに装飾としての「スモール・d」が含まれ、その「スモール・d」のなかに「ビック・D」が含まれるという相互補完関係により成り立っています。これは、生命体をつくり出すために必要不可欠な情報は、もっとも小さな細胞の中にあるのと同じなのです。全体は部分の中に存在するのです。個々の製品やサービスに企業全体が含まれているということです。
多くの日本の企業は、自社製品やサービスに企業全体が含まれているという認識をもっていないのです。

D + d = 企業デザイン。

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