DESIGN
Management
02
デザイナーの問題解決力を
経営に統合する
新潮流「デザイン経営」。
今や、
デザイン、テクノロジー、ビジネスは
1つの世界として捉える時代に。
それぞれ、独立し分離していると思われる「デザイン」「テクノロジー」「ビジネス」。この3分野を一つに統合することができてこそ、問題解決の鍵となります。それは、往々にして各分野が対立関係にあることが見受けられます。同じ企業内で内戦になっていては、それぞれの特質を活かすどころか、逆に削り合い失っている要因となってします。垣根を取り去り、協調関係を構築することができれば、今までになかった可能性が拡がります。製品のデザインの工夫、他分野からの技術導入、消費者の潜在的ニーズ抽出などによりイノベーションが実現されます。
「デザイン経営」に
取り組む。
「design」の本質を理解している
信頼できるデザイナーを経営に参画させる。
3分野、「デザイン」「テクノロジー」「ビジネス」を統合することができるプロデューサー的存在が必要になってきます。プロデューサーは各分野の環境、立場、人、関係性を有機的に統合していくことが使命となります。そのプロデューサーに最も適しているのが部分と全体を統合していけるデザイナーなのです。起業家を含めた経営者とデザイナー、プロジェクトリーダーとデザイナー。このベストパートナーにより、プロジェクトが推進され、問題を解決に導いていくのです。
「デザイン経営」
5つの実践プロセス。
Step1 問題抽出・現状把握の段階
最初のステップ、現状把握はとても大事なプロセスです。
ここで、現在の製品やサービスがマーケットや顧客にどのように評価され、競合との優劣、格差はなにか。そして、企業として何を目指しているのか、VisionやMission、理念など。これらに従業員が共感・共有しているか。単なるお題目になっていないか。勿論、これまでの経緯経過も重要です。また、現状で何が一番問題なのか、その問題をどのように解決しようとしているのか。問題の抽出も課題になります。「まっ、今はいい。これからが大事だ。」こんな発言が間違いのもとです。現状を過信したり逃避することは、次のステップでの問題特定を不正確にするばかりが、その不正確な問題に対して問題解決が行われことになり無駄になるだけです。
Step2 問題・課題特定の段階
「正しく問題を捉える」重要なプロセスです。
それは、先にも述べましたが、問題が正しく特定されていないと、解決策が間違った方向へ使われることになり、最終的な着地点の「問題解決」ができないことになります。間違った問題に取り組むことを阻止するためにも、まず、正しく問題を捉える。問題を特定する。すなわち問題点を明確にすることが重要となります。しかし、こんなことを言う経営者がいます。「売上が上がらない。利益がでない。これが問題だ。」と。これは問題ではなく結果です。売上が上がらない原因があるはずです。このような問題のはき違えからは絶対に本質の問題は見えてくることはありません。正しく問題を特定することは問題解決への近道と言えるのです。また、問題がない企業は世界に一社たりとてありません。GAFAだって問題だらけです。
Step3 解決策・アイデア創造の段階
さあ、問題点を見出したら解決策を練りましょう。
問題解決するためには解決策が必要です。しかし、問題は絞りきって焦点をあてることができても解決策はまったくの逆で無数に存在するのです。方法はいくらでもあるということです。ここで、その原理を説明いたします。
ここに川があったとします。こちらから対岸に到達することが目的だとした場合、皆さんはどんな方法を考えますか?
泳いで渡る。船で渡る。橋を架けて渡る。橋のあるところを調べてそこまで行って渡る。いや、空飛ぶ車で一気に渡る。切りがないほど無数の渡り方があると思います。問題解決もこれと同じなのです。様々な方法があり、問題を解決するためにはどれも間違いはないのです。そういう意味では沢山の選択肢があったほうがよいと思います。その中から「これだ」と思われる解決策に絞りこめばよいのです。ここまでくれば九割は解決していると言って過言ではありません。何故なら殆どが問題特定を間違って選択しているからです。
Step4 実行・行動の段階
遂に問題解決のための実行の段階です。
この段階ではすでに問題が特定され、解決策も検討され、ついに実行、行動に移すことになりました。その為には計画が必要です。つまり、物事には手順、段取りが必要で最適な方法で実行してこそ成果が期待できるのです。その計画・スケジュールに則って確実に進めてください。十分に練られた計画なら問題の解決も近いと思います。
Step5 検証・修正・再構築の段階
この段階は問題解決をさらに有効にするために行います。
まず、解決策の実行により、目的の成果が得られたかをチェックします。もし、目的に届いていない不十分な場合は、どこに問題があったのかを検証します。この段階はとても重要です。再検証、見直しすることにより更に成果を大きくすることができるからです。通常は実行したら再検証しないで終わってしまうケースが多々見受けられます。これまで問題解決のプロセス手順通りに進んできたのには訳があるのです。実はこの検証により、次の問題点が浮上してくることも珍しくはありません。明確な問題の特定は、わたしたちに「やるべき事」を明示してくれるのです。問題は企業の活力になること間違いなしです。